ChatGPT×翻訳副業で海外クライアントと仕事をした体験談|英語に自信がなくても始められるステップ
会社員として働きながら、英語はそこまで得意ではない。
それでも「いつか海外クライアントと仕事をしてみたい」と思ったことはありませんか。
この体験談では、特別な留学経験も翻訳資格もない一人の社会人が、ChatGPTを相棒にしながら、少しずつ海外クライアントとの仕事を形にしていくまでの道のりをまとめました。
うまくいったことだけでなく、「ここは気をつけたほうがいい」と感じたポイントも包み隠さず書いていきます。
この記事で分かること
- 英語に自信がない状態から、ChatGPTを使いながら翻訳副業を始めた具体的なステップ
- 海外クライアントと出会うために使ったサイトや、プロフィール・応募文の作り方
- 実際の案件で「どこまでChatGPTに任せて、どこから自分でチェックしたか」というワークフロー
- 実際に対応した海外案件の内容・報酬イメージと、フィードバックから見えた評価ポイント
- トラブルを避けるために守ったルールや、これから始める人が押さえておきたい注意点
ここから先は、「ChatGPTに丸投げ」ではなく、「翻訳のパートナー」として使う現実的な方法を、体験ベースで一つずつ見ていきます。
この体験談で分かることと前提条件
この体験談で分かることの全体像
この体験談は、「英語が得意ではない会社員」が前提です。
特別な資格も留学経験もない状態からスタートしています。
ChatGPTを「自動翻訳」ではなく「翻訳と英文チェックの相棒」として使った流れをまとめています。
どのタイミングでChatGPTに任せて、どこから自分で確認したかを具体的に書きます。
海外クライアントとやり取りした英語メッセージのイメージも紹介します。
依頼文への返事。
納品時のメッセージ。
トラブルを避けるために添えた一言などです。
AI翻訳に頼りすぎないためのチェックの仕方も解説します。
必ず自分の目で見るポイント。
意味がズレていないかを確認する簡単な方法。
不安なときに使える追加ツールの例も触れます。
実際に受けた案件の報酬イメージも出します。
1件あたりの金額。
1か月でもらえた合計額。
そのために使った時間を「ざっくり時給感覚」で伝えます。
読み進めることで、「ChatGPTを使った翻訳副業の全体像」が一通りつかめる構成になっています。
前提条件|英語力・本業・生活リズム
ここで紹介するモデルは、英語力は中級レベルを想定しています。
目安としては、TOEIC600〜700点前後です。
英語ニュースをスラスラ読めるほどではないが、辞書を使えば内容はだいたい分かるレベルです。
英会話は「ゆっくりなら日常会話がなんとかできる」程度です。
ビジネス英会話には自信がなく、メールは時間をかけて調べながら書いている状態です。
本業はフルタイム会社員です。
平日は普通に働いています。
副業に使えた時間は、平日1日あたり30〜60分です。
休日にまとまった時間を2〜3時間ほど取れる週もある、というイメージです。
在宅ワーク経験はほぼゼロからのスタートです。
翻訳の資格も持っていません。
専門学校や翻訳スクールにも通っていません。
ChatGPTは、最初は無料版を少し触った程度です。
「英文メールのたたき台を出してもらったことがある」くらいの距離感から始めています。
高度なプロンプト設計はできない状態です。
このくらいの英語力と生活リズムでも、「やり方を工夫すれば海外クライアントと仕事ができた」という前提で話を進めていきます。
この記事のゴール|ChatGPTを使いながら安全に翻訳副業を始める道筋
この記事のゴールは、「いきなり専業翻訳者になること」ではありません。
まずは副業レベルで、月数万円を現実的に狙えるところまでの道筋を示すことです。
目安としては、「月1万〜3万円前後」のレンジを想定しています。
本業の合間にできる範囲で、リスクを抑えながら積み上げていくイメージです。
同時に、「安全に」始めることもゴールの一つです。
機密情報をそのままChatGPTに入れない。
規約違反になりそうな案件は避ける。
自分の英語力を超えた専門分野には無理に手を出さない。
こうしたラインも、本文で具体的に整理します。
読み終わったときに、次のことがはっきりイメージできる状態を目指します。
- 自分の英語力でも狙える翻訳副業の範囲
- ChatGPTを「翻訳の相棒」として使う基本の流れ
- 海外クライアントと最初の仕事をするまでのステップ
- 今日から始められる小さな一歩(登録・練習・準備)の内容
「自分にもこのくらいなら再現できそうだ」と感じてもらえるように、できるだけ具体的なエピソードと数字で説明していきます。
プロフィールとスタート時点のスキル・環境

40代手前の会社員、翻訳は「趣味レベル」からのスタート
今回紹介する体験談の方は、いわゆる「バリバリの翻訳者」ではありません。
30代後半のごく普通の会社員です。
- 年齢:30代後半(40代手前)
- 職種:営業と事務が半分ずつのようなポジション
- 勤務形態:フルタイム勤務、残業は月10〜20時間程度
英語との関わり方も、ごく一般的なレベルです。
- 海外勤務・留学経験:なし
- 英語学習歴:学校英語+社会人になってからの独学少し
- 英語の実力感:
- 英文メールは辞書を引きながらなら何とか書ける
- 海外ドラマは字幕がないときつい
- 英会話は「簡単な自己紹介と雑談なら何とか」というレベル
「英語は嫌いではないけれど、得意とも言えない」というポジションです。
翻訳も、これまでは趣味でニュース記事を訳してみたり、好きな本の一部を訳してみたりした程度でした。
つまり、「翻訳スクール卒」でもなく、「企業の翻訳担当」でもありません。
それでもChatGPTなどのAIツールをうまく組み合わせることで、海外クライアントとやり取りできるところまで到達した、という前提になります。
AIツールの経験値|ChatGPTも翻訳ツールも「ほぼ初心者」
AIツールについても、スタート時点ではほぼ初心者でした。
- ChatGPT
- 無料版を数回触ったことがある程度
- 仕事のメール文を「少しだけ丁寧にしてもらう」といった使い方を試したことがあるくらい
- プロンプト設計という言葉も、ほぼ知らない状態
- 翻訳ツール
- DeepLやGoogle翻訳の存在は知っていたが、
「たまに単語を調べる」程度で、日常的に使ってはいなかった - 長文を丸ごと入れて訳文を比較する、といった使い方はほぼ未経験
- DeepLやGoogle翻訳の存在は知っていたが、
AIツールに対しては、次のような不安もありました。
- 「無料でここまで訳してくれるなんて、逆に怖い」
- 「どこまで信用していいのか分からない」
- 「英語があまりできないのに、AIを使って翻訳を仕事にしても大丈夫なのか」
こうした不安を抱えたまま、「まずは副業のためというより、自分の英文チェックの相棒として使ってみよう」というところから始めています。
その延長線上に、海外クライアントとの翻訳案件が出てきた、という流れです。
副業に使えた時間・PC環境・家族構成
使える時間も、特別に多かったわけではありません。
- 家族構成:既婚・子ども1人(小学生)
- 平日:
- 帰宅後に家事・育児を終えてから、1〜1.5時間を副業に充てるのが限界
- 毎日ではなく、「週3〜4日くらいは時間を確保できる」イメージ
- 休日:
- まとめて作業できるのは、土日のどちらかで2〜3時間程度
- もう片方は家族との時間を優先
PC環境も、特別なスペックではありません。
- 一般的なノートPC(数年前に購入したビジネス用モデル)
- 自宅Wi-Fi環境
- 専用のデュアルディスプレイや高価な周辺機器はナシ
つまり、「ハイスペックPC」「専用作業部屋」といったものがなくても始められた、という条件です。
このくらいの時間と環境でも、
- ChatGPTを翻訳・英文チェックの補助に使う
- 翻訳ツールと組み合わせながら、最終的な品質は自分で確認する
- 週あたり数時間の積み上げで、少しずつ実績を作っていく
といったやり方なら、海外クライアントとの取引まで到達できた、というのがこの体験談の前提になります。
海外クライアントと出会うまで|案件探しと応募準備
候補にしたプラットフォーム一覧
最初から「海外クライアント一本」に絞ったわけではありません。
国内サイトと海外サイトを両方リストアップして、特徴を比べながら候補を絞りました。
- 国内クラウドソーシング
例:ランサーズ・クラウドワークスなど
日本語で説明が読めるので、最初の練習には向いています。 - 海外フリーランスサイト
例:Upwork・Fiverr など
クライアントは世界中。報酬は高めの案件もありますが、その分ライバルも多いです。
イメージをつかみやすいように、ざっくり比較すると次のようになります。
| プラットフォーム | 主なクライアント地域 | 案件の言語 | 特徴 | ChatGPTの活用ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 国内クラウドソーシング | 日本中心 | 日本語/日英・英日 | 日本語説明が多く、初心者でも案件内容を理解しやすい | 応募文・プロフィールの下書き作成、日本語→英語の一部翻訳補助 |
| Upwork | 欧米・世界各国 | 英語中心 | 単価は高めだが、求められるレベルも高く競争が激しい | 提案文の英語チェック、丁寧な言い回しへの言い換え |
| Fiverr | 世界各国 | 英語中心 | 自分でサービス内容を登録し、小さな案件から受けやすい | サービス説明文やFAQの英語添削、パッケージ内容の整理 |
実際には、
「最初は国内サイトで翻訳に近い仕事を経験」
「慣れてきたら海外サイトにも挑戦」
という二段階で進めたイメージです。

最初に狙った案件の条件
いきなり「長文の専門翻訳」に挑戦したわけではありません。
最初に狙った案件には、いくつかの条件をつけました。
- 完全な翻訳ではなく、難易度を少し下げたもの
例:- 日本語資料を英語でざっくり要約する
- 英語の文章を読みやすくリライトする
- 英文メールの文面調整 など
- 分量が少ない案件
- まずは 500〜1,000ワード程度まで
- 1案件あたり数時間以内で終わるものを優先
- 納期に余裕がある案件
- 初心者なので「即日・24時間以内」の案件は避ける
- 最低でも2〜3日は余裕がある依頼のみ応募
理由はシンプルです。
- ChatGPTや翻訳ツールに慣れる時間が必要
- 本業や家事の予定が変わっても、締切を守りやすい
- 失敗してもダメージが大きくなりすぎない
この条件を満たす案件だけに絞って、最初の応募を始めました。
ChatGPTを使ったプロフィール文・自己紹介の作成
海外クライアントと仕事をするうえで、プロフィール文は名刺のような役割を持ちます。
ここでもChatGPTを「たたき台づくり」にフル活用しました。
- まず日本語で、自分の経歴やできることを書き出す
- 職歴
- 英語の学習歴
- 副業でやりたい仕事の方向性 など
- それをChatGPTに渡して、英語プロフィールの草案を作ってもらう
- 「海外クライアント向けのプロフィール文を英語で作ってください」
- 「丁寧だが、ビジネスカジュアルなトーンで」など条件も指定
- 出てきた英文を、自分のレベルに合わせて削る・言い換える
- 難しすぎる単語はシンプルに言い換える
- 「やったことがないこと」を匂わせる表現は削る
大事にしたのは、スキルを誇張しすぎないことです。
- × 「10年以上の翻訳経験があります」
- ○ 「仕事で英語資料を扱ってきた経験があります」
ChatGPTは立派な表現を出してくれますが、
自分の実力以上に見える言い回しは、あとで困ります。
「英語は完璧ではないが、丁寧に確認しながら仕事をします」
このくらいの正直さを残すように意識しました。
最初の応募で意識したこと
応募文も、最初から毎回ゼロから書いたわけではありません。
ChatGPTと一緒に「基本テンプレ」を作り、それを案件ごとに調整して使いました。
- ChatGPTに依頼したこと
- 「翻訳案件に応募するための英語の提案文の例を作ってください」
- 条件として「経験は多くないが、丁寧な対応を強みとしたい」と伝える
- 出来上がったテンプレをベースに、案件ごとに編集
- クライアントが書いている募集文から、キーワードを1〜2個拾って入れる
- 自分の過去の経験のうち、近いものがあれば一行だけ加える
特に意識したのは、「安心感」を伝える一文を必ず入れることです。
例えばこんな内容です。
- 返信スピード
- 「24時間以内の返信を心がけます」
- 納期
- 「締切の◯日前までにドラフトをお送りします」
- 修正対応
- 「ご要望に応じて、◯回まで修正いたします」
この一文があるだけで、
「英語力バリバリのプロ翻訳者」ではなくても、
「きちんと連絡が取れて、締切を守ってくれそうな人」という印象を持ってもらいやすくなります。
最初の応募ラッシュでは、
- 応募数のわりに返事が少ない
- そもそもメッセージが返ってこない
ということも多くありました。
それでも、プロフィールと応募文を少しずつ改善しながら続けた結果、
少しずつ海外クライアントからの返信が増え、
最初の小さな案件につながっていきました。
ChatGPT×翻訳の実務フロー|1案件のワークフロー
ここでは、実際の1案件を例にしながら、
「どこまでChatGPTに任せて、どこから自分でやるのか」
をできるだけ具体的に整理していきます。
クライアントから原文を受け取ってから納品までの全体フロー
1案件あたりの流れは、ざっくり次のようなステップに分かれます。
- 原文の受領・全体把握
- 依頼内容・目的・想定読者を確認
- 文字数・納期・報酬を再チェック
- ざっと全文を読み、「難易度」と「専門度」を把握
- 用語・トーンの確認
- クライアントのサイトやSNSがあれば一通り目を通し、
文体(カジュアル/フォーマル/丁寧)を確認 - ブランディング用語・固有名詞があればメモにまとめる
- クライアントのサイトやSNSがあれば一通り目を通し、
- 下訳フェーズ
- ChatGPTで一次翻訳のたたき台を作成
- 長文の場合は段落ごと・セクションごとに区切って処理する
- 推敲・ブラッシュアップ
- 一文ずつ原文と訳文を見比べて、意味のズレを修正
- 不自然な日本語・英語を自分で書き換える
- 必要に応じて、ChatGPTに「別案」を出してもらい比較する
- 全体通読・最終調整
- 冒頭から通して読み、「トーンの統一」「用語の統一」をチェック
- タイトル・見出し・箇条書きが読みやすいか確認
- 納品・フィードバック確認
- 指定の形式(Word/Googleドキュメント/テキスト)で納品
- クライアントからのフィードバックを保存し、
次回以降の「自分用チェックリスト」に反映
この一連の流れの中で、ChatGPTはあくまで“補助ツール”として使い、
最終的な品質は自分の目と頭で担保する、というスタンスを一貫して取りました。
ChatGPTに任せた部分と、自分でやった部分
役割分担のイメージは次の通りです。
【ChatGPTに任せた部分】
- 一次翻訳のたたき台作成
- 段落単位で英日/日英の仮訳を作ってもらう
- 専門用語の候補出し
- 例:マーケティング用語・IT用語などの自然な訳語候補を複数パターン出してもらう
- 言い回しのバリエーション提案
- 「もう少しフォーマルに」「もう少しカジュアルに」とトーン指定で再提案させる
【自分でやった部分】
- 意味の確認・ニュアンス調整
- 原文を読み直し、「この一文で本当に言いたいことは何か」を自分で再解釈
- 固有名詞・数値・日付・金額のチェック
- ChatGPTの訳が合っていても、必ず原文と突き合わせる
- 全体の読みやすさの調整
- 日本語なら「句読点の位置」「一文の長さ」、
英語なら「主語・動詞の分かりやすさ」「ビジネスメールとして自然か」を自分で整える
- 日本語なら「句読点の位置」「一文の長さ」、
- 最終読み合わせ
- 冒頭から音読/黙読して違和感がないか確認し、必要があれば自分の言葉で書き直す
感覚としては、
- ChatGPT:60〜70%の“下地づくり”
- 自分:30〜40%の“仕上げと責任を持つ部分”
というイメージで分担していました。
実際に使ったプロンプト例
実務でよく使ったプロンプトを、用途別にご紹介します。
【一次翻訳のたたき台(英語 → 日本語)】
- 「この英語文を日本語に訳してください。ビジネスメールとして自然な日本語にしてください。」
- 「次の英文を、日本の30〜40代ビジネスパーソン向けに分かりやすく訳してください。」
【日本語→英語のビジネス文書】
- 「次の日本語文を、ビジネスメールとして自然な英語にしてください。」
- 「固すぎないビジネス英語で、丁寧だがフレンドリーなトーンにしてください。」
【言い回しのブラッシュアップ】
- 「この英語文を、ネイティブビジネスパーソンが書いたような自然な言い回しに書き直してください。」
- 「次の英文について、同じ意味でより簡潔な表現を3パターン出してください。」
【用語候補の洗い出し】
- 「次の用語について、文脈に合いそうな英訳候補を3つ出してください。」
- 「この単語のカジュアルな言い換え表現を3つ教えてください。」
ポイントは、最初から「完璧な訳」を求めないことです。
「まずは土台になる訳」「そこから自分が直しやすい訳」を出してもらうつもりで、
プロンプトを投げていきました。
品質を担保するためのチェックリスト
AIを使うと「速く」なりますが、
そのぶん「見落とし」も増えます。
そこで毎回、納品前に次のチェックリストを必ず見るようにしました。
1. 固有名詞・数字・日付・金額
- 会社名・サービス名・人名が間違っていないか
- 日付(タイムゾーン含む)や金額の単位(ドル/円など)がズレていないか
- 型番・バージョン番号などが変わっていないか
2. 不自然な直訳になっていないか
- 日本語訳:
- 「〜であることができます」など、日本語として不自然な言い回しが残っていないか
- 一文が長すぎないか、読点が多すぎないか
- 英語訳:
- 主語・動詞が分かりやすく並んでいるか
- 日本語の語順を無理に引きずっていないか
できれば、一度声に出して読んでみると、違和感に気づきやすくなります。
3. クライアントのブランドトーンと合っているか
- フォーマルを求めるブランドなのに、カジュアルな表現を使っていないか
- 逆に、カジュアルなSaaSサービスなのに、堅すぎる言い回しになっていないか
- 過去に納品した文章とトーンが大きくブレていないか
4. 機密情報・プライバシーへの配慮
- ChatGPTに渡す前に、個人名や住所などの機密情報をマスキングしているか
- プラットフォームの規約やクライアントのコンプライアンスに反していないか
5. 自分が「読む側」として納得できるか
- 自分がクライアントの立場だったとして、この訳文で仕事に使えるか
- 誤解を招く表現や、曖昧すぎる説明が残っていないか
このチェックリストを毎回回すことで、
「AIに頼ったからこその事故」をかなり減らすことができました。
ChatGPT×翻訳は、うまく使えばスピードと質の両方を底上げできる組み合わせですが、
最後に責任を取るのは人間側です。
「どこまでAIに任せるか」「どこからは自分で見るか」を決めておくことが、
海外クライアント案件を安心して続けるための土台になりました。
実際に対応した海外案件の内容とフィードバック
ここでは、実際にどんな海外案件を受けて、
どれくらいの文字数・報酬・ChatGPTの活用度だったのかを具体的にまとめます。
「ざっくりどのくらいの規模感なのか?」をつかむイメージで読んでください。
初めて受けた海外案件の概要
最初の海外クライアント案件は、Webサービスの紹介ページの英訳でした。
- 案件内容
- 日本語のサービス紹介ページ(LP)の文章を英語に翻訳
- Webサイトの「トップページ+料金プラン+FAQ」部分が対象
- 文字数の目安
- 合計で約 1,000語前後(日本語ベースで A4 2〜3枚程度)
- 納期
- 5日程度(平日夜と週末に少しずつ作業すれば間に合うペース)
- 報酬
- 約8,000〜10,000円ほど
- ChatGPTの活用度合い
- 日本語 → 英語の一次翻訳を ChatGPT に任せる
- 「少しカジュアルに」「もう少しフォーマルに」など、トーン調整の案を複数出してもらう
- 最終的な表現の決定・細かいニュアンス調整・誤訳チェックは自分で対応
最初の案件ということもあり、
スピードよりも「正確さ」と「丁寧なコミュニケーション」を重視しました。
2〜3件目以降の案件のバリエーション
2件目以降は、少しずつ内容の違う案件も来るようになりました。
例1:商品説明文のローカライズ
- 日本で作られた商品説明文を、英語圏向けに言い換える案件
- 単純な直訳ではなく、「海外ユーザーに伝わる表現」に調整する必要あり
- 文字数:800語前後
- ChatGPTの使い方:
- 直訳案 → 海外向けにトーン調整した案の比較
- 文化的に伝わりにくい部分を、分かりやすく言い換える提案をさせる
例2:SNS投稿文の翻訳(英日・日英)
- X(旧Twitter)やInstagram向けの短い投稿文
- 140〜300文字程度の文章を、まとめて数本翻訳する案件
- 「カジュアルだけど砕けすぎない」トーンが求められる
- ChatGPTの使い方:
- カジュアル表現をいくつかパターン出してもらい、
自分で一番しっくりくるものを選ぶスタイル
- カジュアル表現をいくつかパターン出してもらい、
例3:海外向け資料の翻訳+軽いリライト
- 社内プレゼン資料を海外パートナー向けに英訳
- 単に訳すだけでなく、「日本向け前提の説明」を整理して再構成する作業も含む
- ChatGPTの使い方:
- スライドごとに要点を ChatGPT にまとめさせ、
それをもとに英語文を組み立てていく
- スライドごとに要点を ChatGPT にまとめさせ、
このように、案件を重ねるごとに、
「単なる翻訳」から「ローカライズ」「要約+翻訳」といった
少しずつ幅のある仕事へと広がっていきました。
対応した案件の比較表
代表的な3案件を、まとめて比較すると次のようなイメージです。
| 案件番号 | 内容 | 文字数の目安 | 報酬目安 | ChatGPTの役割 | クライアントの評価コメント |
|---|---|---|---|---|---|
| 1件目 | サービス紹介文の英訳 | 約1,000語 | 約8,000〜10,000円 | 一次翻訳+言い回し候補の提案 | 「丁寧な対応で安心できた」 |
| 2件目 | 商品説明文のローカライズ | 約800語 | 約6,000〜8,000円 | トーン調整案・海外ユーザー向け表現の候補出し | 「現地ユーザーにも伝わりやすい表現になった」 |
| 3件目 | SNS投稿文の翻訳(数本セット) | 140〜300文字 × 数本(合計数百語) | 約3,000〜5,000円 | カジュアル表現の案出し・自然なフレーズのバリエーション | 「スピードと柔軟性が高くて助かった」 |
あくまで一例ですが、
- ボリュームが多い案件 → 報酬は高め、納期も少し長め
- SNS系など短文セット → 報酬は控えめだが、回転率は高い
という傾向がありました。
フィードバックから学んだこと
クライアントからもらったフィードバックを振り返ると、
評価されていたポイントは「翻訳スキルそのもの」だけではありませんでした。
よく褒められた点
- レスポンスの速さ
- 質問への返信や納期に関するレスが早いと、それだけで安心感につながる
- 質問が具体的だったこと
- あいまいなまま進めず、「このニュアンスはどちらに寄せますか?」
といった形で確認したことが信頼につながった
- あいまいなまま進めず、「このニュアンスはどちらに寄せますか?」
- トーンの提案があったこと
- 「フォーマル案」と「少しカジュアル案」を2パターン出すなど、
選択肢を示したことが好印象だった
- 「フォーマル案」と「少しカジュアル案」を2パターン出すなど、
反省から学んだ点
- ChatGPTの訳をそのまま信じてしまい、
1か所だけニュアンスがズレていたことがあり、
それ以降「固有名詞・数字・重要な一文」は必ず原文と突き合わせるようにした。 - スケジュールに余裕がないと、最終チェックが甘くなりがちなので、
「自分の想定より少し短めの作業時間で終わる案件だけ受ける」
というマイルールを作った。
結果として感じたのは、
ChatGPTのおかげで「作業スピード」は確かに上がるけれど、
リピートにつながるのは「訳文+コミュニケーションの安心感」だった
ということです。
海外クライアント相手でも、
- こまめな連絡
- 率直で丁寧な質問
- 約束を守る
この3つを意識することで、
「またお願いしたい」と言ってもらえる確率が大きく変わると実感しました。
良かった点・大変だった点・トラブルを防ぐための工夫
海外クライアントとの仕事は、良い面と大変な面がどちらもあります。
ここでは、実際にやってみて感じたポイントを正直にまとめておきます。

良かった点|英語力と実務経験が同時に伸びた感覚
一番大きかったのは、「英語の勉強」と「実務経験」が同時に進んだことです。
- ChatGPTが「生きた表現の先生」になってくれた
- 自分では思いつかない言い回しを、いくつも提案してくれる
- 気に入った表現はメモしておき、次の案件でも使える
- 文法や単語だけでなく、「場面に合う言い方」が身についた
- ビジネスメール向けの言い方
- Webサイト向けの、読みやすいシンプルな文章
- 実際のクライアントワークなので、学びに「緊張感」がある
- ただの勉強ではなく、「誰かの役に立っている」と感じられる
- フィードバックをもらえるので、独学よりも修正ポイントがはっきりする
英語の勉強だけをしていた頃より、
「自分の英語が仕事として通用している」という実感が持てたのは、大きな収穫でした。
大変だった点|時差・文化の違い・英語メールの心理的ハードル
良いことばかりではなく、「これは大変だった」という点もはっきりありました。
時差の問題
- 相手が北米やヨーロッパだと、どうしても夜〜深夜に連絡が来やすい
- こちらの就寝時間と重なるため、返信のタイミングに気をつかう
- 無理にリアルタイムでやり取りしようとせず、
- 「24時間以内に返信します」など、最初にルールを伝えておくとラクになります
文化や表現の違い
- カジュアルな表現だと思って使った英語が、
国や文化によっては「軽すぎる」印象になることもある - 日本語では当たり前のニュアンスが、
そのままでは伝わらないこともある - 迷ったときは
- ChatGPTに「フォーマル寄りにして」と依頼する
- いくつか候補を出してもらい、一番無難なものを選ぶ
といった工夫が必要でした。
英語メールへの心理的ハードル
- 最初のころは、短いメール1通を書くのにも時間がかかる
- 「これで失礼にならないかな」「変な文法ミスをしていないかな」と不安になる
- 実際には、
- ChatGPTで英文のたたき台を作る
- 自分の言葉に少し直してから送る
この流れにしてから、かなり気持ちがラクになりました。
トラブルを避けるために決めたルール
海外クライアントとの仕事では、最初に自分なりのルールを決めておくことで、トラブルをかなり防げました。
ルール①|個人情報や機密情報はChatGPTに貼り付けない
- クライアント名や具体的な会社名、住所、メールアドレスなど
個人・企業を特定できる情報は、プロンプトに入れない - 原文をそのまま貼るのではなく、
- 固有名詞だけ伏せる
- 似た内容のダミー文に置き換えて相談する
といった工夫をする
ルール②|最初のうちは「重要度の低い部分」からAIを使う
- いきなり契約書全文や、重要な告知文の翻訳をAI任せにしない
- まずは、
- 参考資料
- 補足説明
- 下書きレベルの文
など、ミスしても影響が小さい部分から使い始める
- 大事な箇所は、最後に自分の目で必ずチェックする
ルール③|契約内容・支払い方法・納期は必ずテキストで確認
- 「なんとなくの口約束」で進めない
- プラットフォームのメッセージやメールで、
- 報酬額
- 支払い方法・支払いタイミング
- 納期
を文章で残しておく
- 不明点があれば、遠慮せずに質問する
- 「この部分は◯日までに必要という理解で合っていますか?」
- 「この作業は追加料金が発生しますか?」 など
これだけでも、後々のすれ違いをかなり減らせました。
報酬と労力のバランスを見直したポイント
最初のうちは、「海外案件=なんでもありがたい」と感じて受けていましたが、
続けていくうちに「時給換算すると厳しい案件」も見えてきます。
時給換算が低すぎる案件の見直し
- 例:
- 報酬:3,000円
- 作業時間:5時間かかってしまった
→ 時給600円弱になってしまう
- こういった案件は、
- リピートの見込みがあるか
- 自分の実績として大きな価値があるか
を基準にして、継続するかどうか判断しました。
継続依頼が見込めるクライアントを優先
- 毎回「単発で終わる案件」だけだと、営業の手間が大きくなる
- 何度か一緒に仕事をして、
- レスポンスがスムーズ
- フィードバックが具体的
- 支払いがスムーズ
なクライアントは、少し単価が低くても優先的に対応しました。
少しずつ単価を見直すタイミング
- 同じボリュームの作業にかかる時間が、
ChatGPTの活用で半分くらいになってきたら、- 単価アップの相談をする
- もしくは、同じ時間でより単価の高い案件に挑戦する
- 「慣れてきたのに、最初と同じ低単価のまま」を続けないことが大切です。
このように、
- 良かった点(スキルアップ・自信・実務経験)
- 大変だった点(時差・文化差・心理的ハードル)
- トラブルや消耗を防ぐためのルール
をセットで意識することで、
「続けやすい翻訳副業」の形に近づけていけました。
ChatGPT×翻訳副業で海外クライアントと働くときのFAQ
海外クライアントとの翻訳案件は、「英語」「AIツール」「契約・お金」など不安ポイントが多くなりがちです。
ここでは、よく聞かれやすい疑問をQ&A形式でまとめます。ブックマークしておけば、あとから「辞書」のように見返せるパートとして使えるはずです。
Q1:ChatGPTで翻訳した文章を、そのまま納品してもいいですか?
A:基本的には「そのまま納品」はおすすめしません。必ず自分の目でチェックしてから納品してください。
理由は次の通りです。
- 文脈によっては意味がズレることがある
- 固有名詞・数字・日付・金額などが誤変換される可能性がある
- 文化的なニュアンスやトーン(丁寧さ・カジュアルさ)がズレることがある
おすすめの使い方は、
- ChatGPTで「一次翻訳(たたき台)」を作る
- 原文と照らし合わせながら、自分で意味を確認
- 不自然な表現を直し、クライアントのトーンに合わせて調整
- 固有名詞・数字・日付・金額だけは必ず原文と付き合わせて確認
という流れです。
「翻訳の責任はあくまで自分にある」という前提で、ChatGPTはあくまで補助ツールとして使うのが安全です。
Q2:英語力に自信がなくても海外クライアントと仕事できますか?
A:条件を選べば十分可能です。ただし「学ぶ姿勢」と「丁寧なコミュニケーション」は必須です。
例えば、次のようなスタートラインなら十分チャンスがあります。
- 英語力:TOEIC◯◯点前後・学校英語+簡単な自己紹介ができる程度
- 案件レベル:
- 文章量が少ない案件
- 「完全な翻訳」ではなく「要約+リライト+一部翻訳」のような軽めの仕事
- ツールの活用:
- ChatGPTでたたき台を作り、自分で意味とニュアンスを確認して仕上げる
- 分からない表現をChatGPTに「解説」してもらう
一方で、
- 「英語は一切読みたくない・学びたくない」
- 「全部AIがやってくれればいい」という考え方
のままだと、品質が安定せず、継続案件やリピートにはつながりにくいです。
「AI+自分の成長」のセットで考えられるなら、英語力に自信がなくても十分チャンスはあります。
Q3:翻訳案件でAIを使うことはクライアントに伝えるべきですか?
A:契約内容や案件の性質によりますが、原則は「品質と責任は自分が持つ」ことです。
ポイントは以下のとおりです。
- 募集要項や利用規約に
- 「AIツールの使用は禁止」
- 「自動生成コンテンツ不可」
といった記載がある場合は、使わないのが原則です。
- 禁止されていない場合でも、
- ChatGPTはあくまで「下書き・候補案」の生成にとどめ
- 最終的な文章は自分の手で仕上げる
というスタンスが安全です。
どうしても不安な場合は、たとえば次のような形で伝えることもあります。
I use AI tools only as a assistant for drafting and brainstorming.
All final translations are checked and edited by myself to ensure quality.
ただし、「AIを使っているから品質は保証できません」では仕事にならないため、
どちらにしても「品質は自分が担保する」という姿勢が前提になります。
Q4:どのくらいのレート設定から始めるべきですか?
A:最初はやや控えめなレートから始めて、実績とフィードバックが溜まってきたタイミングで見直すのが現実的です。
スタート時の考え方としては、
- 最初の数案件:
- 「実績とレビューを集める期間」と割り切る
- やや低めのレートにして、まずは仕事の流れに慣れる
- 慣れてきたら:
- 1案件にかかる時間が短くなってきたタイミングで、少しずつ単価を上げる
- 継続案件や紹介が増えてきたら、条件のよい案件を優先する
目安としては、
- 「自分の時給が最低限許容できるラインを下回っていないか」
- 「実績として残したい案件かどうか」
の2軸で判断すると、ただ安売りするだけの状態を避けやすくなります。
ChatGPTのおかげで作業時間が短縮できても、
「スピードが出るから単価は低くていい」と考えすぎないことが大切です。
Q5:AI翻訳が原因でトラブルにならないために気をつけることは?
A:領域の選び方と、チェック体制の2つが重要です。
まず、避けたほうが良い領域の例
- 法律文書・契約書・規約など、解釈ミスが致命的になるもの
- 医療・健康・投資・金融など、専門知識と責任が重いジャンル
- 自分が内容を理解できない専門分野全般
これらは「AI+非専門家」の組み合わせだと、リスクが非常に高くなります。
次に、チェック体制のポイント
- ChatGPTの訳を読んで、「自分が意味を説明できない文」は採用しない
- 不自然だと感じた部分は、原文を読み直しながら自分の言葉で書き直す
- 固有名詞・数字・日付・金額・URLなどは、
必ず原文と一つずつ照合する - 重要度の高い文は、
- 声に出して読んでみる
- ChatGPTに「より自然な表現に直して」と再提案させ、2〜3パターンから選ぶ
「AIに任せる範囲」と「自分で責任を持つ範囲」を事前に決めておくことが、トラブル防止の一番の対策になります。
このFAQを一通り押さえておけば、
ChatGPT×翻訳副業で海外クライアントと働くときの「よくある不安」はかなり軽くなるはずです。
次のセクションでは、この記事全体を通じて見えてきた「始める前に知っておきたいポイント」と「最初の一歩」について整理していきます。
まとめ|ChatGPTを味方にして海外クライアントと安心して仕事をするために
ここまでの体験談を振り返ると、「英語に少し不安があっても、ChatGPTをうまく補助として使えば海外クライアントと仕事をすることは十分可能」ということが見えてきます。
一方で、AIに任せすぎたり、リスクの高い案件を選んでしまうとトラブルの元にもなります。
最後に、この記事全体をロードマップとして整理し直しつつ、今日から踏み出せる小さな一歩をまとめておきます。
体験談から見えたステップの要約
この体験談で通ってきたプロセスを、あらためてステップに分解すると次の4つになります。
- AIツールに慣れる
いきなり案件に応募するのではなく、まずは自分の身の回りの文章や、過去に読んだ英語記事などを題材にして、- ChatGPTに翻訳させてみる
- 訳文の不自然なところを自分で直してみる
- 言い回しの候補をいくつか出してもらう
といった「練習期間」をしっかり取ったことが、その後の安心感につながりました。
- プロフィールとポートフォリオを整える
海外クライアントと仕事をするうえで、「この人に任せても大丈夫そうだ」と思ってもらうためには、- 英語プロフィール文(ChatGPTでたたき台→自分で修正)
- 簡単なポートフォリオ(過去に訳したサンプルや、練習で作った訳文)
を用意しておくことが重要です。
完璧な実績でなくても、「どういう分野の文書を、どういうスタイルで訳せるのか」が伝わるだけで、選ばれやすくなります。
- 難易度の低い案件から実績を作る
最初から契約書や専門性の高い文書を狙うのではなく、- サービス紹介文
- 商品説明
- SNS投稿文
のような、比較的リスクの低い領域から始めたことで、「英語で仕事をする」感覚を少しずつ掴むことができました。
ここでは「高単価」よりも、「納期を守る・レスを早くする・コミュニケーションを丁寧にする」といった基本を徹底することが最優先です。
- ChatGPTを『品質を上げる補助ツール』として使う
そして最も大事なのは、ChatGPTを「翻訳を全て任せる自動機械」としてではなく、- 候補表現を出してくれるアシスタント
- 文脈に合う言い回しを一緒に考えてくれる相談役
として位置づけることです。
一次翻訳や表現案を出してもらったうえで、最終的な意味の確認とニュアンス調整は自分で行う――。
この役割分担を徹底することで、AIを使いながらも「自分の翻訳」として責任を持てる状態を作ることができます。
海外クライアントとの仕事で守りたい最低限のライン
海外クライアントとの仕事は、魅力的な一方で、リスク管理も欠かせません。最低限、次の3つは必ず意識しておきたいラインです。
- 機密情報の取り扱い
ChatGPTや他のAIツールに入力するテキストには、- 個人情報
- クレジットカード情報や住所
- 極めて機密性の高い契約内容
などを含めないことが原則です。
必要に応じて、固有名詞や数値を伏せた形に加工してからツールに渡すなど、「どう加工すれば安全か」を自分なりにルール化しておくと安心です。
- 規約違反をしないこと(プラットフォーム・ツール両方)
- クラウドソーシングや海外プラットフォーム側の規約
- ChatGPTや翻訳ツール側の利用規約
の両方をざっと確認し、「AI利用が禁止されていないか」「自動生成コンテンツの扱いはどうなっているか」を把握しておきましょう。
特に「自動生成コンテンツ禁止」の案件では、AIを使うこと自体が契約違反になる可能性があります。
- 安売りしすぎず、自分の時間とスキルを守る意識
海外案件では、通貨や物価の違いから「一見高く見えて、実は時給換算するとかなり安い」というケースもあります。- 1案件にかかった実作業時間
- その案件から得られた報酬
をざっくり計算し、「自分が納得できるライン」を下回り続けていないかを定期的に見直すことが大切です。
ChatGPTのおかげで速度が上がっても、「だから単価は低くていい」と安売りを続けてしまうと、長期的には自分をすり減らすことになりかねません。
今日からできる小さな一歩の提案
最後に、「いきなり海外クライアントとの契約はハードルが高い」と感じる方に向けて、今日からできる小さな一歩を3つだけ提案します。
- ChatGPTに「自分の翻訳プロフィール文」の草案を作ってもらう
たとえば、次のようなプロンプトを入れてみます。
「40代会社員で、英日・日英の簡単な翻訳を副業で受けたい人向けに、英語のプロフィール文を作ってください。実務経験は少ないですが、誠実さと丁寧なコミュニケーションを強みにしています。」
出てきた文章を、自分の実情に合わせて削ったり書き足したりすれば、まずは1本目のプロフィール文が形になります。 - 過去に読んだ英語記事を、ChatGPTと一緒に翻訳・要約してみる
ニュースサイトや自分の興味分野のブログ記事を1本選び、- ChatGPTに翻訳させる
- 自分で意味を確認しながら言い回しを修正する
- 要約版も作ってみる
という練習をしてみてください。これだけでも、「仕事として翻訳する」イメージがかなり鮮明になります。
- 国内クラウドソーシングのアカウントだけ先に作っておく
いきなり応募しなくてもかまいません。
まずは- アカウント登録
- プロフィール入力の枠だけ埋めてみる
- 翻訳案件や「英語×ライティング」案件を眺めてみる
ところから始めるだけでも、「自分にもできそうなレベル感」が見えてきます。
ChatGPTを味方につければ、海外クライアントとの翻訳案件は、「特別な人だけのキャリア」ではなくなります。
大事なのは、
- ツールへの過信ではなく、「一緒に考えるパートナー」として付き合うこと
- 自分の時間とスキルを守るための最低限のラインを決めておくこと
- 一気に大きな成果を狙うのではなく、小さな一歩を積み重ねていくこと
この3つです。
この記事を読み終えた今が、最初の一歩を踏み出すいちばん良いタイミングです。
まずは、プロフィール文の草案づくりや、1本だけの翻訳練習からでもかまいません。
「AIと一緒なら、海外クライアントとの仕事にも手が届くかもしれない」という感覚を、ぜひ自分のものにしていってください。


